2025年10月16日メンテナンスウィッグは普通のシャンプーで洗える?洗い方とお手入れのコツ

ウィッグを清潔に保つためには、定期的なシャンプーが欠かせません。とはいえ、「手元に専用シャンプーがないとき、普通のシャンプーで洗ってもいいのか?」と迷う方も多いでしょう。結論として、普通のシャンプーでもウィッグを洗うことは可能です。ただし、ウィッグは地毛よりも繊維がデリケートなため、成分や扱い方によっては髪がパサついたり質感が変わってしまうことがあります。
この記事では、普通のシャンプーを使う際の正しい洗い方や注意点、シャンプー後のお手入れや保管のコツ、洗う頻度までわかりやすく解説します。専用シャンプーが手元にないときの応急的な洗浄方法として、ぜひ参考にしてください。
ウィッグは普通のシャンプーで洗える?
「手元にある普通のシャンプーでウィッグを洗えるのか?」と迷う方は多いでしょう。ウィッグは見た目こそ地毛に近いものの、人毛でも人工毛でもデリケートな性質を持ち、使うシャンプーによって状態が変わりやすいのが特徴です。
人毛ウィッグは地毛に似た質感ではありますが、頭皮からの皮脂や水分が補われないため乾燥しやすく、普通のシャンプーではパサつきや絡まりを招くことがあります。
人工毛やミックス毛はさらに熱や摩擦に弱く、専用シャンプーの方が安心です。
加えまして、以前(2024年12月13日)のウィッグコラム「ウィッグのお手入れ、市販のシャンプーで大丈夫??」でも記しましたが、自髪ほど頻繁に洗う必要性のないウィッグを、蓄積された汚れや気になる匂いを一度のシャンプーできっちりと落とすために、ウィッグ専用シャンプーは洗浄力が普通(自髪用)のシャンプーより強力です。洗う頻度の少ないウィッグに合わせ、一度でしっかり汚れや匂いを落とすべく、強力な洗浄力があるという点におきましても、専用シャンプーは非常に合理的で安心です。
> 以前のコラム「ウィッグのお手入れ、市販のシャンプーで大丈夫??」は、こちらより確認ください
ただし、専用シャンプーが手元にない場合には、普通のシャンプーを応急的に使うこともできます。その際は、素材に合わせてやさしく扱うことが大切です。
普通のシャンプーを使ったウィッグの洗い方
ウィッグをきれいに保つためには、素材に合った適切な洗い方が欠かせません。ここでは、普通のシャンプーを使うときに気をつけるべき準備と、素材ごとの洗い方を紹介します。
洗う前の準備
洗う前に、まずはウィッグを乾いた状態でやさしくブラシを通し、絡まりをほぐします。このひと手間で洗浄中の摩擦が減り、毛の抜けや型崩れを防ぐことができます。
次に、洗面器に水かぬるま湯を用意し、普通のシャンプーを2〜3倍に薄めてよく溶かします。原液のままでは洗浄力が強すぎて毛を傷めやすいため、薄めて使うことが大切です。
高温のお湯を使うのは避ける
ウィッグは人毛であっても人工毛であっても、熱に弱い素材です。特に人工毛は熱で繊維が変形してしまうため、40℃を超えるお湯は使わないようにしましょう。
常温から30℃程度のぬるま湯で洗うのが安心です。
人毛100%ウィッグの洗い方
人毛ウィッグは、皮脂や水分が届かないため乾燥しやすく、やさしい扱いが必要です。以下の手順で丁寧に洗いましょう。
1.ブラッシング
乾いた状態で毛先からやさしくとかし、絡まりを取り除きます。2.シャンプー液に浸す
常温〜ぬるま湯にシャンプーを薄めて溶かし、ウィッグを5〜10分浸します。3.洗浄
こすらずに毛先から根元へ向けて軽く押し洗いします。4.すすぎとリンス
新しい水でしっかりすすぎ、薄めたリンス液にさっと浸して指通りを整えます。5.水気を取る
タオルでやさしく押さえるように水気を取り、次の乾燥工程へ進みます。ミックス毛ウィッグの洗い方
ミックス毛は人毛と人工毛が混ざっており、両方の特徴を持つため、よりやさしい洗い方が必要です。以下の手順を守ると、毛質を傷めず清潔に保てます。
1.ブラッシングで絡まりを取る
乾いた状態で毛先からやさしくブラシを通し、もつれをほどきます。2.洗浄の準備をする
洗面器に常温〜ぬるめの水を張り、普通のシャンプーを2〜3倍に薄めて溶かします。3.つけ置きと押し洗い
ウィッグを5〜10分ほど浸けた後、こすらずやさしく押し洗いします。4.すすぎとリンス
新しい水でよくすすぎ、薄めたリンス液に短時間浸けて指通りを整えます。5.水気を取る
タオルで包むように水分をやさしく吸い取り、次の乾燥工程に進みます。人工毛ウィッグの洗い方
人工毛は熱と摩擦に弱いため、最も慎重な扱いが必要です。
ブラッシングで汚れと絡まりを整える
乾いた状態で軽くブラシを通し、もつれを取ります。洗浄の準備をする
洗面器に必ず常温の水を張り、普通のシャンプーを2〜3倍に薄めて溶かします。つけ置きと押し洗い
ウィッグを5〜10分ほど浸け、こすらず押し洗いします。もみ洗いは毛の乱れや静電気の原因になるため避けましょう。すすぎとリンス
新しい水で丁寧にすすぎ、リンス液にさっとくぐらせて毛先を整えます。水気を取る
タオルで包むようにやさしく水分を取り、次の乾燥工程へ。シャンプー後に行うウィッグのお手入れのコツ
洗った後の扱いは、ウィッグのツヤや形を長持ちさせるためにとても重要です。ここでは、シャンプー後に行う乾燥と保管の基本的なケアを紹介します。
自然乾燥を行う
ウィッグを洗い終えたら、まずはタオルで包み込むようにして水分をやさしく押さえます。こすったり強く絞ったりすると、繊維が傷つき毛先が広がりやすくなるため避けましょう。
余分な水分が取れたら、通気性の良い日陰で自然乾燥させます。直射日光に当てると、紫外線によって色あせや繊維の劣化が進みやすくなるため注意が必要です。また、ドライヤーの温風は人毛ウィッグでもパサつきの原因となり、人工毛では熱による変形や縮れが起きることがあります。
自然乾燥は時間はかかりますが、熱や紫外線によるダメージを防ぎ、仕上がりがふんわりと自然で、ウィッグを長持ちさせる最も安全な方法です。
ウィッグスタンドを使って保管する
乾いたウィッグは、形を整えてウィッグスタンドにかけて保管します。
ウィッグスタンドを使うことで毛流れやスタイルが崩れにくく、風が通るため内側までしっかり乾き、湿気によるカビや嫌な臭いを防ぐことができます。
引き出しやビニール袋など通気性の悪い場所に入れてしまうと、湿気がこもりやすく、劣化の原因になります。
直射日光の当たらない涼しい場所でスタンド保管をすることで、ウィッグをより衛生的で美しい状態に保つことができます。
ウィッグは普通のシャンプーより専用シャンプーを使おう
普通のシャンプーでも応急的に洗うことはできますが、ウィッグを長く美しい状態で使いたいなら、専用シャンプーを使うほうが安心です。
専用シャンプーは、ウィッグ特有の素材に合わせて作られており、不要な負担をかけずに清潔さと手触りを保てるよう設計されています。
普通のシャンプーは頭皮の皮脂や汚れを落とすために洗浄力が強めで、ウィッグに使うと乾燥やパサつき、絡まりの原因になることがあります。また、シリコンや保湿成分が残留すると、ウィッグが重くなったりホコリを引き寄せやすくなったりして、見た目や質感を損ねることもあります。
一方で、ウィッグ専用シャンプーは次のような特徴があります。
● 余計な油分を落としすぎない洗浄成分と強力な汚れを落とし成分を両立
● 毛先の絡まりを防ぐために調整されたなめらかな仕上がり
● ホコリやベタつきを防ぐ低残留処方
こうした専用処方によって、毛質を傷めずに清潔さを保つことができ、ウィッグを長く快適に使うことにつながります。
日常的なメンテナンスでは専用シャンプーを基本にし、どうしても専用シャンプーが手元にないときに限って普通のシャンプーを応急的に使うという考え方がおすすめです。
ウィッグをシャンプーする頻度
ウィッグは毎回洗う必要はありませんが、汚れを放置すると毛が絡まりやすくなり、においが残ったり寿命を縮める原因になります。 一方で、頻繁に洗いすぎると繊維が摩耗し、毛先のパサつきや形崩れにつながります。 そのため、適切なタイミングで洗うことが長持ちの秘訣です。
目安としては、以下を参考にしてください。
● 毎日使う場合は 1〜2週間に1回
● 週に数回使う場合は 3〜4週間に1回
● 特別なイベントでしか使わない場合は使用3〜4回ごとに1回
汗をかきやすい季節や喫煙環境、飲食店での使用後など、においや汚れが気になるときは、この目安より早めに洗うと清潔さを保ちやすくなります。 逆に乾燥しやすい冬場は、洗いすぎによるパサつきを防ぐために、できるだけ必要なときだけ洗うほうがよいでしょう。
このように、使用状況や季節に合わせて洗う頻度を調整することで、ウィッグの美しさと手触りを長く維持できます。
まとめ:簡単ケアでウィッグをもっと長持ちさせよう
ウィッグは、普通のシャンプーでも応急処置として洗えますが、素材への負担を減らすには専用シャンプーを使うのが理想的です。
洗う頻度を守り、強くこすらずやさしく洗い、乾燥はドライヤーや直射日光を避けて自然乾燥にして、仕上げにウィッグスタンドで保管すれば、毛質の劣化を防ぎ、長く美しい状態を保てます。
正しい頻度と丁寧なケア、そしてシャンプーの選び方が、ウィッグを清潔に長持ちさせるいちばんの近道です。

