ウィッグコラム

医療用ウィッグは、抗がん剤治療や脱毛症などによる脱毛に備えて、多くの方が検討する大切なアイテムです。しかし、初めての購入では「いつ準備すればいいのか」「どんな種類を選べばいいのか」「購入前に注意することはあるのか」など、不安や疑問も多いものです。

この記事では、医療用ウィッグの基礎知識から準備するタイミング、選び方、助成金制度、購入前に知っておくべきポイントまでをわかりやすく解説します。安心して選ぶための参考にしてください。

医療用ウィッグとは

医療用ウィッグとは、抗がん剤治療や円形脱毛症、抜毛症などにより一時的または長期的に髪を失った方が、外見の変化によるストレスや不安を和らげるために着用するウィッグです。一般的なファッション用ウィッグと異なり、頭皮が敏感になっている状態でも快適に使えるように設計されているのが最大の特徴です。

具体的には、医療用ウィッグは肌に優しい裏地素材や、通気性と軽量性に優れた構造を採用しています。さらに、日常生活で長時間着けていても負担にならないよう、締めつけ感を抑えつつズレにくいフィット構造が工夫されています。これにより、治療中でも外出や人と会う場面で自信を持って過ごせるという大きなメリットがあります。

また、厚生労働省の「JIS規格（日本産業規格）」に基づいた医療用ウィッグ認証制度（JIS S9623）が存在し、品質や安全性の基準を満たした製品には認証マークが付与されています。信頼性が確保されているため、医療現場でも安心して使用できる点も特徴です。

医療用ウィッグを準備するタイミングは治療前

医療用ウィッグは、治療が始まる前に準備を始めるのが最も理想的です。抗がん剤などによる脱毛は、治療開始から2〜3週間ほどで急激に進むことが多く、抜け毛が一気に増え始めてからでは、ウィッグを選ぶ時間や心の余裕がなくなってしまうからです。

治療前に準備しておけば、自分の髪があるうちに色やスタイルを合わせられるため、自然な仕上がりになりやすくなります。実際に自分の髪と見比べながら選べるので、見た目の違和感を最小限に抑えられるのも大きなメリットです。

また、治療中は体調が不安定になりやすく、長時間の外出や試着が負担になることもあります。体調が安定しているうちにフィッティングやサイズ調整を済ませておくことで、治療に専念できる環境が整うのも重要なポイントです。

つまり、治療前の準備は単なる早め行動ではなく、見た目と心の両面で安心して治療に臨むための具体的な備えなのです。

医療用ウィッグの選び方

医療用ウィッグには多様な種類や仕様があり、自分に合ったものを選ぶためにはいくつかの視点から比較検討することが大切です。ここでは、医療用ウィッグの選び方を紹介します。

毛材から選ぶ

医療用ウィッグに使われる毛材は主に「人毛」「人工毛（化学繊維）」「ミックス毛」の3種類があります。

人毛は自然な見た目と手触りが最大の魅力で、自分の髪のようにドライヤーやヘアアイロンでスタイリングできます。ただし価格は高めで、湿気や汗でうねりやすいという特性もあります。

一方、人工毛は軽くて型崩れしにくく、手入れが簡単というメリットがあり、コストも比較的抑えられます。ただし光沢が強いものもあるため、自然さを重視する場合は質の高い製品を選ぶのがポイントです。

ミックス毛は両方の長所を兼ね備え、扱いやすさと自然さのバランスを求める方に人気です。

自分のライフスタイルや優先したい要素に合わせて選びましょう。

毛の長さから選ぶ

毛の長さは、日々の生活やお手入れのしやすさに直結します。

ショートタイプは軽くて扱いやすく、蒸れにくいため、体力が落ちやすい治療中でも負担が少ないのが特徴です。乾かす時間も短く済み、清潔を保ちやすい点もメリットです。

ロングタイプは華やかな印象でアレンジの幅が広いですが、毛量が多いため重さや蒸れを感じやすく、こまめなケアが必要です。

ミディアムタイプは両者の中間でバランスが良く、初めての医療用ウィッグとして選ばれることも多いです。

単に見た目だけでなく、日常の過ごしやすさやお手入れの負担も考えて長さを選びましょう。

既製品とオーダーメイドから選ぶ

医療用ウィッグには「既製品」と「オーダーメイド」の2つのタイプがあります。

既製品はあらかじめ作られているため価格が比較的手頃で、購入後すぐに使えるのが最大のメリットです。サイズやスタイルが合えば、短期間で準備を整えられます。

一方、オーダーメイドは頭の形や髪質・髪色に合わせて一から製作するため、フィット感や自然さが非常に高いのが特徴です。ただし制作に1〜2か月ほどかかる場合があり、費用も高めです。

急ぎかどうか、どこまで自然さにこだわるかを基準に、自分に合ったタイプを選ぶと失敗が少なくなります。

試着して選ぶ

最終的に最も重要なのが、実際に試着して確かめることです。同じ毛材や長さでも、着け心地・重さ・頭の形とのフィット感は人によって大きく異なるため、見た目だけでは判断できません。

試着では、鏡で前後左右から確認し、軽く歩いたり首を振ったりしてズレやすさもチェックするのがおすすめです。また、長時間着けることを想定し、肌当たりや蒸れ感、重さによる疲れやすさも確認すると安心です。

当店ではゆっくり試せるように、清潔な状態で試着できるよう工夫された商品や、返品・交換対応のある商品をご用意しています。落ち着いた環境で実際に着けてみることで、納得できる一着を選びやすくなります。

医療用ウィッグの助成金制度

医療用ウィッグの購入には、自治体によって助成金や補助金が支給される制度が設けられている場合があります。これは、抗がん剤治療や脱毛症などによる脱毛で生じる心理的負担を軽減し、社会生活への復帰を支援する目的で実施されているものです。

制度の内容は地域ごとに異なりますが、多くは購入費用の一部を後から還付する形式で、領収書や製品の写真・証明書などを添えて申請します。

中には、ウィッグ購入だけでなく、帽子やターバンなどの関連用品も対象になる自治体もあります。こうした制度を活用することで、経済的な負担を軽減しながら品質の高い医療用ウィッグを選びやすくなるという大きなメリットがあります。

なお、対象条件や申請方法、金額は自治体ごとに異なるため、事前に必ず確認することが重要です。医療用ウィッグの購入で助成金や補助金を利用できる自治体はこちらからご確認ください。

医療用ウィッグを購入する前に知っておくべきこと

医療用ウィッグは一度購入すると長く使うものだからこそ、事前に確認しておくべき大切なポイントがあります。ここでは、医療用ウィッグを購入する前に知っておくべきことを紹介します。

返品・交換の可否を確認する

医療用ウィッグは、一度購入すると長く使うものだからこそ、万が一サイズが合わなかったり、イメージと違った場合に備えて、返品・交換の可否を事前に確認しておくことが大切です。

「試着後でも返品・交換が可能か」「未使用であれば可能か」「何日以内までか」など、具体的な条件をあらかじめ把握しておくことで、安心して購入の判断ができます。

アフターサポートの有無を確認する

医療用ウィッグは、購入して終わりではなく、その後のメンテナンスや調整も大切です。

使用していくうちにサイズが緩んだり、毛が絡まったり、スタイルが崩れたりすることがあるため、アフターサポートの有無は品質と同じくらい重要な判断基準になります。たとえば、サイズ調整・スタイル調整・メンテナンス方法の相談窓口・修理対応などがあると、長期間快適に使い続けられる大きな安心につながります。

購入前に、どんなサポートが受けられるかを具体的に確認しておきましょう。

医療用としての認証・品質基準を確認する

見た目が自然でも、医療用としての安全性が保証されているかどうかは別の問題です。

医療用ウィッグには、JIS規格（JIS S9623）に基づいた「医療用ウィッグ認証」という制度があり、頭皮への刺激や通気性・耐久性などが基準を満たしている製品に付与されます。

認証を受けたウィッグは、肌が敏感になっている治療中でも安心して使えるよう設計されているため、トラブルを避けたい方には非常に重要なポイントです。

購入前に、医療用ウィッグ認証や安全性に関する表記があるかどうかを必ず確認しておきましょう。

購入後のケア方法を理解しておく

医療用ウィッグを長持ちさせ、清潔に保つためには、正しいケアが欠かせません。

購入後に扱い方がわからないと、毛が絡む・傷む・型崩れするなどのトラブルにつながってしまいます。事前に、洗浄頻度・専用シャンプーやブラシの使い方・乾かし方・保管方法など、基本的なケア方法を理解しておくことが大切です。

手入れの手間をイメージしておくと、自分のライフスタイルに無理なく取り入れられるかどうかも判断しやすくなります。

当店が販売するおすすめの医療用ウィッグを紹介

第一位　MW-1

医療ウィッグのパイオニア的な商品で、2003年に発表された医療ウィッグブランド『フィットミー』の第一号商品。

発売以来より多数のご愛好をいただき、現在も引き続き指示される超ロングセラー商品です。

＞ MW-1はこちら

第二位　MW-604

医療ウィッグ『フィットミー』シリーズの中では「お手軽価格」と着用者を選ばない「ナチュラルなショートスタイル」で人気の商品です。

＞ MW-604はこちら

第三位　MW-21

ショートすぎない「ナチュラルスタイル」で、幅広い年代から指示される『フィットミー』シリーズの中では、ワンランク上の商品として人気です。

＞ MW-21はこちら

まとめ：医療用ウィッグは安心して治療に臨むための大切な準備

医療用ウィッグは、治療中も自分らしく前向きに過ごすための心強いサポートになります。

早めに準備しておくことで、脱毛による急な外見の変化に慌てずに対応でき、治療に集中できる環境を整えられるという大きなメリットがあります。また、毛材やスタイル、品質、サポート体制などをしっかり比較し、自分に合った一着を選ぶことで、外出や人と会うことへの不安も軽減できます。

さらに、自治体の助成制度などを活用すれば、経済的な負担を抑えつつ安心できる品質のウィッグを手に入れやすくなるでしょう。

医療用ウィッグは、単なる身だしなみ用品ではなく、心の安心と日常生活の質を守るための「治療準備のひとつ」です。正しい情報をもとに、自分らしく過ごせる一着を選んでください。